#31 乗鞍高原の温泉をめぐる

乗鞍高原は、個性ある3つの異なる源泉をもつ「のりくら温泉郷」という温泉地。乗鞍岳の山懐で、自然の恵みと言える「温泉」をじっくりと味わえます。春夏秋冬、豊かな自然に彩られ、その移ろいのなかでゆったりとお湯につかると、身も心も洗われる心地になるでしょう。泉質はもちろん、施設によっても趣は様々。今回は、そんなのりくら温泉郷の魅力についてご紹介します。

乗鞍高原の温泉をめぐる

❶ 「のりくら温泉郷」について
❷ 乗鞍高原温泉
❸ すずらん温泉
❹ 安曇乗鞍温泉
❺ のりくら時間の楽しみ方

❶ のりくら温泉郷

のりくら温泉郷とは、乗鞍高原に広がる温泉地のことで、この地域には①乗鞍岳の山腹からわき出る温泉を乗鞍高原へと引湯している単純硫黄泉の乗鞍高原温泉・②高原内にわき出る、無色透明で刺激の少ないすずらん温泉・③地下1300mからわき出る、カルシウムやマグネシウムを多く含む安曇乗鞍温泉という「乗鞍三湯」と呼ばれる源泉があります。

乗鞍高原内には、温泉を引湯している宿泊施設が数多くあります。宿ごとに様々な趣のある温泉を、宿泊の際にゆったりと楽しむことができる他、日帰り入浴施設もあるため、ふらりとお好きな時間に立ち寄って気軽に温泉を楽しむことも。お好みに合わせて、のりくらの温泉をいろいろ楽しんでみてはいかがでしょう。

❷ 乗鞍高原温泉

乗鞍高原温泉は、乗鞍岳の山腹(標高約2000m付近)からわき出る温泉を高原内へ引湯。乳白色の単純硫黄泉で、「これぞ温泉!」という独特なにおいがあります。殺菌力が強く、体を芯からあたため、新陳代謝も活発になります。観光センター近くにある日帰り温泉施設「湯けむり館」もこの温泉。高原内で昔から愛される温泉です。

乗鞍高原温泉にまつわる歴史については所説あります。乗鞍岳は古くから山岳信仰の霊所でしたが、行者が山の中を歩きまわるなかでこの温泉を発見したのではと言われていたり、武田信玄によって開拓された大樋銀山から自然湧出したとされる乳白色のこの温泉で、信玄が開拓当時からその疲れを癒したという説も……。いにしえのロマンの香りが色濃く残る乗鞍高原温泉で、古き時代に思いを馳せつつ、癒しのひとときをもつというのはいかがでしょう。

泉質単純硫黄泉
効能【一般適応症】神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔病・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進
【泉質別】切り傷・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病・糖尿病・高血圧症・動脈硬化症

乗鞍高原温泉について より詳しくは

日帰り入浴施設 湯けむり館について

知る人ぞ知る公共露天風呂「せせらぎの湯」

❸ すずらん温泉

すずらん温泉は、乗鞍高原に湧き出た単純温泉。無色透明・炭酸水素イオンを多く含み温もり感が持続します。温度は高すぎず、刺激が少ないためゆったりと浸かれ、日常の疲れをのんびり癒していただける温泉です。

引湯している施設は高原内に10軒ほどと少ないですが、お肌の弱い方や妊婦さん・赤ちゃんでも安心して入浴でき、高原内の宿の多くが引湯している硫黄泉の乗鞍高原温泉とはまた異なる効能があります。数泊して入り比べてみるのもいいですね。

泉質単純温泉(低張性中性温泉)
効能【一般適応症】神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔病・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進
【泉質別】自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

すずらん温泉についてより詳しくは

❹ 安曇乗鞍温泉

安曇乗鞍温泉は、地下1300mからわき出る、カルシウム、マグネシウムを多く含む無色透明の炭酸水素塩泉。この辺りでは珍しく、ほんのり金気臭がします。サラサラのお湯は美人の湯ともいわれ、肌本来の力を引き出してくれます。

この温泉は、休暇村乗鞍高原の自家源泉です。宿泊以外でも、日帰り入浴ができるのが嬉しいところ。無料の湯上り休憩室もあるので、アクティビティを早めに切り上げて、休暇村でゆったり温泉時間を楽しむのもいいですね。

泉質カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(低張性中性低温泉)
効能【一般適応症】神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔病・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進
【泉質別】やけど、アトピーなど慢性皮膚病【飲泉】慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病

安曇乗鞍温泉についてより詳しくは

休暇村 乗鞍高原 について詳しくは

❺ のりくら時間の楽しみ方

のりくら温泉郷では、温泉や自然とのふれあいなど、ご自身のバランスを整える時間をじっくり持っていただくことをおススメしています。乗鞍の自然の中でエネルギーをチャージしつつ、温泉に入って心身ともにリラックスできる時間を。きっと日々の活力がじわじわとみなぎってくることでしょう。

ただ、旅の中でひとときのリフレッシュができたとしても、日常に戻ると知らず知らず疲労やストレスがたまっていくのは誰でもが実感するところ。だからこそ、1年のなかに、1ヶ月のなかに、1週間のなかに、1日のなかに…自然と共にセルフケアの時間をもち、ご自身を整えるサイクルを意識的につくれるといいですね。まずはそんなリズムをつくるきっかけから。さあ、いつのりくら温泉郷へ出かけましょうか。

のりくら時間の楽しみ方

のりくら時間を楽しんでいる方々のstory


いかがでしたでしょうか。定宿を決めて気に入った温泉を何回も楽しむのも、泉質を変えたり、宿を変えて、雰囲気の異なる温泉を楽しむのもまたいいですね。のりくら温泉郷を気に入った方は、一年に何度も訪れ、「誰にも教えたくないとっておきの場所」と口を揃えるほど、ファンの方々に根強く愛される場所です。そんな風に愛される理由は……?自然との一体感をじわじわと感じられる・そこはかとない心地よさに満ちている・余計なものが何もない…でも本当に必要なものがある!など、感じ方は人それぞれ。ぜひぜひご自身で体感しにいらしてください。