乗鞍高原は山のご馳走の宝庫。自然の中から見つかるピュアな食材をつかったり、厳しい冬を乗り越えるために工夫をしたり。昔から大切につないできた「おいしいもの」と、地域に根差した「食文化」があります。せっかく乗鞍を訪れるなら、昔からの山暮らしの知恵がつまった、とっておきの乗鞍の食を味わってみてください。
乗鞍高原を訪れたら必ず食べたいものリストを作ってみました。
❶ 番所そば
番所そばは、乗鞍高原の標高約1,200m~1,300mの高地で栽培した乗鞍在来のそばです。日照時間が短く痩せた地で身のしまった良いそば採れると言われていますが、乗鞍はまさにそばの栽培適地。米の栽培が難しい乗鞍では、昔はそばを米の替わりに主食にするほど、そばに支えられてきました。おやきやうす焼きなど、そば粉を使った食のアレンジも豊富です。
収穫量が少なく希少な番所そばは、特に秋の新そばの時期が狙い目。また、寒さ厳しい冬に鍋を囲んで頂く「とうじ蕎麦」は乗鞍の郷土食。心も体もぽかぽかになります。
水車挽き番所そばを守り続ける
合掌造りの古民家で味わうなら
山ならではの季節のごはん屋
❷花豆(がに豆)
花豆と言うと、日本では主に北海道や長野県の一部高冷地で多く栽培されています。乗鞍の夏の畑では、花豆の赤い花がひときわ目立ちます。この赤い花のものは紫地に黒色の斑が入っており、一般的には紫花豆と呼ばれますが、中には白地に黒紫色の 斑 があるものも。地元では『がにまめ』とも言います。
花豆は、時間をかけてコトコト煮ると、美味しい煮豆になります。豆が大きい分、ほくほくとした食感を楽しめます。デザートに使ったり、塩味で炒めたり、おやきの具にしたりと味わい方もいろいろ。お泊りの宿や飲食店で、そのお店の味を楽しんでください。



❸番所きゅうり
信州の伝統野菜に認定された、「番所きゅうり」。瑞々しくて、切り口からは水分が滴ります。7月下旬~9月上旬の短期間に収穫するため、市場にはほとんど出回りません。そんな希少な番所きゅうりは、生食のほか浅漬けなどにしていただきます。やわらかく、甘みもあり、中心の種の部分はゼリーのように柔らかいのが特徴。面白い食感のきゅうりです。
番所きゅうりは、大きくなりすぎると皮が茶色くなり熟してきます。こうなると、農家の方は収穫せず、そのまま晩秋まで放置します。これは、来年度への種の収穫のため。こうして、乗鞍の各家庭で代々「番所きゅうり」の種は保存されてきました。番所きゅうりの収穫時期には、畑をもっているお宿や、乗鞍高原の土産店で見つかります。



❹きのこ
秋になると、乗鞍の人たちは次第にソワソワし始めます。それは山にご馳走を採りに出かけるタイミングを見計らっているからです。時期になると、じこぼう・りこぼう・からまつきのこ(イグチ・アミタケ)・松茸(ツガタケ)・なめこ・ちゃなめ(チャナメツムタケ)・くりたけなど、山の宝石たちが次々と顔を出すのです。
きのこの美味しい季節に、乗鞍高原まで足を運んでみてください。野性味あふれる山の恵みを味わうと、しみじみと贅沢な心地になります。



※乗鞍高原は国立公園や個人の所有地が多いので、一般の方の採取は禁止されています
❺山菜
春の山菜は、地表を覆っていた雪が解けると、次々に顔を出し始めます。フキノトウから始まって、タラノメ・行者にんにく・こごみ・わらび・こしあぶら・うど・うりっぱ(ウルイ)・みずな・よしな(ウワバミソウ)・ふきなど、乗鞍では様々な山菜に出会えます。
山菜は、目で見て、触れて、香りと共に味わって、やっと迎えた春の喜びを五感で楽しめる山の恵み。芽吹きの季節を迎えるウキウキとした心持ちと共に乗鞍の人々が山に入り、台所に持ち帰り、ご馳走へと仕上げます。



※乗鞍高原は国立公園や個人の所有地が多いので、一般の方の採取は禁止されています
❻ぶどう葉寿司
山葡萄の葉が採取できる7月~9月上旬に、季節限定で味わえる美味しいお寿司です。寿司飯に塩マスなどを具にし、山葡萄の葉で包んだ乗鞍の郷土食。新鮮な葡萄の葉を使うため、フルーティーな香りとともに楽しめます。
乗鞍で昔からの家庭料理として食べられている「ぶどう葉寿司」は、夏の時期にぜひ味わいたい一品です。この期間に通常食べられる食事処はレストハウスチロルさんのみですが、事前にご相談いただけると用意できる宿もあります。初めて口にしても、昔懐かしい味がするから不思議です。



❼おやき(やいや)
のりくらのおやきは「やいや」とも呼ばれます。その昔は蕎麦をつかった「そばおやき」が作られ、醤油や味噌をつけて食べる主食でした。米が手に入るようになってからも農作業の合間などにおやつとして親しまれてきました。
現在は衣に自然の色をつけ、見た目も綺麗な「彩色おやき」として、乗鞍の特産品のひとつにもなっています。具材は野沢菜、花豆、切干大根のほか、じゃがいも・山菜・きのこなどなど。乗鞍の家庭で昔から大事に受け継いできたおやきをぜひ味わってみてください。



彩色おやきは、「おかみさん食堂」や「GiFT NORiKURA」でも販売していますが、地方発送やまとまった単位での購入をご希望の場合、製造元の乗鞍うまいもの工房へ直接お問い合わせください。
乗鞍のお母さん達の手作りおやき
❽ヤギミルク
乗鞍とヤギにどんな関係が?と思われる方も多いかもしれません。ひと昔前の乗鞍では、自宅の敷地内の草刈りをヤギにしてもらったり、そのヤギのミルクを飲むのも日常のことでした。母乳が出ないお母さんの子どもはヤギのミルクで育ったという人もいるくらい、ヤギとの距離が近い暮らしがあったのです。
現在、一般の家庭でヤギを飼う家はなくなりましたが、「ばんどこメリーランド」では広々とした牧草地で伸び伸びと愛情深くヤギが飼育されています。健やかなヤギのミルクは、夏季にかき氷(やいや)やソフトクリーム(乗鞍BASE)、ジェラート(GiFT NORiKURA)などに姿を変え、夏に味わえる乗鞍の食の楽しみの一つになっています。臭みがなく後味のさっぱりしたヤギミルク、ぜひお試しください。



おいしいヤギミルクはここから
番所そば
福島屋さんの向かい側の畑で合掌さんが育てていたのは、番所そば だと聞きましたが、
去年はそこで育てていませんでしたね。
ヤギミルク
この感じでいいと思います、ご紹介いただいてありがたいです。
ミルクのボトル売りが一般向けにできるようになったら、また追記をお願いしたいと思います。
他のページを見た時にも気になっていましたが、
GiFT NORiKURAさんのページが、協会の公式HPに無いんですよね….
オリジナルのHPが素敵なので、そちらにリンクしているほうがいいとは思いつつ、何だか申し訳ない気分です😭
ありがとうございます!秀子さんのご指摘に沿って、標高1200m~1300mの表記にしておきますね!
また、ヤギミルクの件、承知しました。
GiFTの件は、またその情報がアップしたら、リンクしなおす形にしましょう!
❶ 番所そば
標高1200m~1300m ひるくぼ辺りまででそれ以上では育てていません。
とうじ蕎麦に投汁 は使わない方が良い。商標登録されてます。
❷ 花豆(がに豆)
花豆をがに豆というんだと思っていますが、中には白地に黒紫色の点があるのを乗鞍の昔からの「がに豆」としていがやで売ってます。
❼ おやき(やいや)
購入先にうまいもの工房を入れたらどうでしょう。
❽ ヤギミルク
なっちゃんにお任せ!
ありがとうございます!
番所蕎麦、花豆、おやきの部分、修正してみました!
うまいもの工房の件は、こんな形で追記してみましたがいかがでしょう??
「彩色おやきは、オアシスやGiFT NORiKURAでも販売していますが、地方発送やまとまった単位での購入をご希望の場合、製造元の乗鞍うまいもの工房(TEL/FAX: 0263-93-2726 Email: karamatu @po.mcci.or.jp)へ直接お問い合わせください。」