乗鞍高原の食を代表するものの一つに「蕎麦」があります。寒暖差の大きい乗鞍高原は蕎麦の栽培適地。実の締まった風味豊かな美味しい蕎麦が味わえます。中でも「とうじ蕎麦」は古くから地域に伝わってきた郷土料理。とうじ蕎麦とは?どんな楽しみ方が?今回はとうじ蕎麦の魅力をご紹介します。
乗鞍のソウルフード「とうじ蕎麦」
❶ とうじ蕎麦とは?
❷ 地元にとってのとうじ蕎麦
❸ とうじ蕎麦の「ツウ」の食べ方
❹ とうじ蕎麦が食べられるお店
❺ おうちでとうじ蕎麦
❶ とうじ蕎麦
「とうじ」には、「投げ入れ」「浸し」「あたためる」という意味が含まれています。とうじ蕎麦とは、竹で編んだとうじかごにゆでそばを入れ、さまざまな具を煮たてた温かい鍋にかごごとそばを浸し、さっとしゃぶしゃぶのように温めて食べるもの。山菜・きのこなど旬の野菜を汁に入れます。
蕎麦は小分けにして食べる分だけ温めるので、最後まで伸びることもありません。
体の芯から温まり、寒い季節には格別のおいしさです。


❷ 地元にとってのとうじ蕎麦
とうじ蕎麦は、この地域でかつて寒い時期に囲炉裏を囲みつつ、干し菜や干し野菜を入れた鍋で暖まり、結婚式や建前の際には必ず振舞われた大切な郷土料理。安曇野が舞台となったNHK朝ドラで放映された「おひさま」(2011年放映)で、主人公が結婚したその祝いの宴でも、この「とうじそば」が出されていました。
冬の寒さがひときわ厳しい乗鞍高原。寒い季節にとうじ蕎麦の鍋を囲んで団欒を楽しめば、心も体も芯からほくほくと暖まることができそうです。
❸ とうじ蕎麦の「ツウ」の食べ方
お椀に汁や具をたっぷりと盛り付けて、お好みの薬味と共にいただくとうじ蕎麦。お蕎麦が終わった後の汁には具の旨味と蕎麦の風味が残っています。その汁に、ごはんと卵を入れ雑炊にして食べるのも美味しいです。そしてお鍋に何も残らないくらいに完食するのが、ツウの食べ方と言われています。
一度食べると、寒い時期にあの蕎麦を・あの温もりを再び味わいたい……そんな郷愁を誘う魅力がとうじ蕎麦にはあるようで、寒い時期に乗鞍へ訪れたら、食べずに帰るわけにはいかない!という方もいるようです。
水車挽き番所そばを守り続ける
合掌造りの古民家で味わうなら
❺ おうちでとうじ蕎麦
乗鞍高原で堪能されて、またはまだ味わったことがないけれど、「おうちでもとうじ蕎麦を味わえたら……。」と思ってくださった方へ。そば処合掌をご家族で営む齊藤さんご夫婦がおうちでの楽しみ方を紹介してくれています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
おうちでとうじ蕎麦を楽しむなら