#10 乗鞍に春を告げる水芭蕉

乗鞍にゆっくりとやってくる春 雪融けと共に咲き始める水芭蕉は、地元の人々がとりわけ楽しみにしている 春一番乗りのお花です。水芭蕉の美しい佇まいは、乗鞍を訪れる多くの方にも愛されています。その愛らしさに因み「白ずきんの郷」という愛称をつけました。
4月下旬から5月中旬まで、高原内の様々な場所でご覧いただける 水芭蕉群生スポットをご紹介します。

❶ 水芭蕉の不思議

乗鞍にやっと訪れた春に、可憐な姿を見せてくれる水芭蕉。その水芭蕉のお花はどこなのか、ご存知ですか?実は中心部分 “肉穂花序”(にくすいかじょ)に咲く密集した黄色の部分なのだそうです。白く大きな花びらに見えるところは苞(ほう)といってつぼみを包んでいた葉。サトイモ科の水芭蕉の苞は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれているそうです。

サトイモ科なのに実は『毒』があると言われている水芭蕉。乗鞍高原に生息するツキノワグマは、冬眠から目を覚まし、この毒のある水芭蕉を食べて、冬の間の老廃物を出すそうです。

❷ 宮の原水芭蕉群生地

4月下旬から、高原内で最初に観賞できる群生地です。小さな木道が白ずきんの群れへと誘います。春の訪れを喜ぶ声が、足元のあちこちから聞こえてきそうです。マイカーの方は「ふれあいパーク乗鞍」の駐車場に停めて、30分ほどの散歩をお楽しみください。
(のりくら散策ガイドAコース参照)

❸ 偲ぶの池(一の瀬)

一の瀬の水芭蕉は、例年GW頃に見ごろを迎えます。偲ぶの池は、まいめの池駐車場からすぐの場所にあり、雪化粧姿の乗鞍岳の眺めと共に楽しめます。開放感あふれる展望のよい場所で咲く水芭蕉の姿は、清々しさに満ちています。

❹ どじょう池(一の瀬)

つつじ園駐車場からすぐの場所にあり、池を囲む森の向こうに聳える乗鞍岳と一緒に写真撮影できるポイントです。逆さ乗鞍が映りこむ水面のあちこちに、可憐な水芭蕉が顔を出します。そんな神秘的な景色をお楽しみください。

❺ 女小屋の森(一の瀬)

女小屋の森の水芭蕉は、1~2時間ほど歩ける方におススメです。一の瀬の奥に広がる女小屋の森では、木道脇でひっそりと咲く水芭蕉を間近に観賞できます。白い妖精が咲き乱れる森の中は幻想的な雰囲気が漂っていて、まるで童話の世界に迷い込んだかのようです。
(のりくら散策ガイドDコース参照)

❻ 牛留池

休暇村から整備された牛留池周囲の木道を歩いて行くと、木道脇に咲いている水芭蕉の姿を観賞できます。(のりくら散策ガイドEコース参照)


今回は乗鞍高原の水芭蕉スポットをご紹介しました。気になる場所はありましたか?
乗鞍高原で春の訪れとともに顔を出し、凛とした佇まいで花開く水芭蕉に会いに、ぜひお出かけください。