#04 乗鞍高原で「今ここ」のマイベスト紅葉スポットを探して。

乗鞍岳の山頂付近から、次第に山肌を駆け下りてくる紅葉前線。9月下旬から11月上旬まで、移り行く紅葉をあちらこちらで楽しめます。日を変えて&場所を変えて何度でも味わいたくなる魅力が乗鞍の紅葉にはあります。「今ここ」のマイベスト紅葉スポットを探しに出かけましょう。

❶ エコーラインと乗鞍岳の紅葉

9月の中旬を過ぎると徐々に山の上の方から色づきが始まります。エコーライン沿いでは、剣ヶ峰や穂高岳の眺めと共に雄大な紅葉の景色を楽しめます。紅葉前線は山頂付近から徐々に下りてきて、山荘のある位ヶ原付近の紅葉がピークを迎えるのは例年10月上旬。山頂に初冠雪があると、美しい三段紅葉を楽しむチャンスもあります。

山へのアクセスは、乗鞍岳シャトルバスはもちろん、e-bikeやロードバイクで山道をかけ上がる紅葉ライドもおすすめ。色づきを間近で感じながらマイペースに紅葉を楽しめます。

エコーラインを駆け上がる。

「乗鞍山頂(畳平)シャトルバス」について

❷ 登山道を歩いて見つける紅葉

乗鞍岳の紅葉は、登山道を歩いて楽しむのもおすすめです。例えば、宝徳霊神バス停と位ヶ原山荘の間にある登山道には、通称「屋根板の坂」という、眼下に紅葉の絨毯が広がる絶景スポットがあります。雲がなければ穂高連峰も眺めることができ、雄大な景色と共に「今ここ」をじっくり味わえるでしょう。

位ヶ原山荘から下に続く登山道も、紅葉の時期にゆったり歩きたい道です。紅葉のトンネルをくぐっていくように、広葉樹の色付きを間近に眺めながら歩くことができます。片道はシャトルバスで、復路は登山道を歩いてポイントまで下るなど、お気に入りの楽しみ方を見つけてください。

紅葉ハイクの拠点や休憩に。

「位ヶ原山荘」について

❸ 善五郎の滝と紅葉のトンネル

山頂付近から始まった紅葉が徐々に下り、例年10月中旬になると、高原内のあちこちで彩りを楽しめるようになります。中でも善五郎の滝周辺は、ミズナラや白樺の森の黄葉が美しく、滝までの散策を楽しみながら、秋色に染まるひとときを持てます。

紅葉時期、展望スポットの滝見台からは、滝と乗鞍岳を正面に見ながらの贅沢な景色を楽しめます。また、善五郎の滝と牛留池をつなぐふたりの小径も紅葉のトンネルが美しい場所です。せせらぎの音に耳を澄ませながら、ゆったりと紅葉ハイクを楽しめます。

❹ 一の瀬とオオカエデ

ヤマウルシの赤色から始まる一の瀬の紅葉は、次々と色の重なりを増していきます。一の瀬全体が華やかに彩られ、その鮮やかさや色合いに、きっと誰もが心躍ります。特におすすめなのは、まいめの池・どじょう池・あざみ池など、水辺を巡りながらの紅葉散策。しっとりと水辺に映し出される秋色の景色を、心ゆくまで楽しんでみてはいかがでしょう。

一の瀬の奥、乗鞍岳の展望も素晴らしい場所に佇んでいる「オオカエデ」は紅葉時期のシンボル的存在。乗鞍高原内に数多く植生している「コハウチワカエデ」の中でも、一際存在感があります。その色づきは、刻々と秋の深まりを知らせてくれ、また変化し続けることの美しさを私たちに教えてくれているようです。

三段紅葉を見られるチャンスも。

「大カエデの紅葉」について

❺ カラマツの黄葉

紅葉のピークを過ぎた10月の下旬~11月の初旬にもなると、高原内の木々は葉を落とし始め、冬の準備を始めます。静けさが戻りつつある乗鞍に、黄金色に輝き出すのがカラマツの黄葉です。乗鞍紅葉のラストランナーでもあるカラマツは、高原内からも眺めて楽しめますが、カラマツ林の中を歩いて楽しむのもおすすめです。

特に、見晴岩へのトレッキングルートはカラマツ林をくぐり抜けて、見晴岩から見渡す秋色の景色も抜群なので、ぜひ晩秋に訪れたいルートの一つです。風に揺られてぴちぴちと降り注ぐカラマツの落葉シャワーを浴びながら、ふかふかのカラマツの絨毯を踏みしめて歩く心地よさに、思わず笑みがこぼれます。晩秋の空気をめいっぱい吸い込んで歩いてみてください。


高原内に数あるスポットの中から、5つの紅葉スポットをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。その時々で見どころが移り変わるので、長期間の滞在をしてみたり、少し日を置いて再び足を運ぶと、マイベスト紅葉スポットが日々更新されていくかもしれません。

更にもっと見どころを知りたい方は、「乗鞍の紅葉マップ」をひとつのご参考に、紅葉散策におでかけください。