小水力発電の説明会を開催しました

のりくら高原ミライズでは、環境・暮らし・観光の3つの要素を基盤に、相互作用しながら持続可能な地域社会を目指していくことを掲げています。

このうち「環境」分野では、観光地的視点、経済的視点、レジリエンス的視点から世界に先駆けて乗鞍高原地域でゼロカーボンを実現することで、直面する気候変動に関する課題への対応に貢献していくこととしています。

こうしたビジョンを掲げる中、乗鞍高原は令和4年4月に国のモデル事業「脱炭素先行地域」に選定され、2030年までに家庭や宿泊施設等で排出される電力由来の二酸化炭素排出「実質ゼロ」の実現に向け、具体的な取組みを進めることとなりました。

この地域脱炭素を乗鞍高原で実現するカギとなるのが、小水力発電です。

寒冷地で急峻な地形を有する乗鞍高原において、安定的に再生可能エネルギーを調達するための手段として、地域が主導する地産地消型の小水力発電施設を整備し、発電した電力を地域内に供給することにより、脱炭素を実現します。

そして、今回の小水力発電施設の整備は、脱炭素の実現にとどまらず、地域が参画する事業として進めることにより、小水力発電によって得られる利益の一部を、地域課題の解決や暮らしの質の向上などに活用できる仕組みをつくることとしています。

そこで令和4年9月、のりくら高原ミライズ構想協議会内に小水力発電プロジェクトチームを設置し、小水力発電施設に関する検討を地域が主体となって進めています。

令和5年6月27日、小水力発電に関する地元(大野川区)住民向け説明会を、構想協議会プロジェクトチーム主催の下、開催しました。

改めてプロジェクトチーム長から小水力発電の位置づけやこれまでの検討経過について説明するとともに、令和4年度に実施した環境調査(流量調査)の結果及び施設配置案について小水力発電施設整備に関する知見を有するさとやまエネルギー(株)から説明がありました。

小水力発電施設整備によって生じる地域の変化について、懸念される点と期待できる点の両面から説明があり、質疑及び意見が交わされました。

資料の一覧

説明会の結果、環境調査結果を踏まえ、乗鞍地区の総意として小大野川における小水力発電事業に賛同し、事業を進めていくこととなりました。

今後、地域が参画する事業体の構築や、地域への利益還元モデルに関する具体的な検討に着手するとともに、発電施設の設計が進められます。

乗鞍の子どもたち、孫の世代へ、地域の未来につながる発電施設を地域が主体となり、つくっていきます。
のりくら高原ミライズ構想協議会小水力発電プロジェクトチームは、引き続き事業計画の検討に関わり、事業の検討状況等、地域の皆さまに対し情報を提供していきます。

そして、国立公園を有するエリアで実現する地域脱炭素のモデルケースとして、国内外に取組みを発信していきます。