#13 乗鞍岳ご来光 新しく迎える幻想的な朝

毎年乗鞍岳には、期間限定でご来光専用バスが運行しています。乗鞍岳で迎える幻想的で感動的な朝を体感しに、ご来光バスに乗って出かけましょう。乗鞍岳ご来光の魅力や必要な装備、おすすめのご来光ポイントなどをご紹介します。

❶ 乗鞍岳ご来光の魅力

通常、高山帯でご来光を見るのなら、前日に山の中を長時間歩いて翌日の日の出に備えなければなりません。でも、乗鞍岳のご来光は、当日の早朝にご来光バスに乗って気軽にアクセスできるのが大きな魅力です。体力に自信のない方にも、お子様連れにも特別なご来光体験への扉が開かれています。

晴れていれば、槍ヶ岳や穂高連峰はもちろん、北アルプスの山々や南アルプスの山々(運が良ければ富士山も)を日の出と共に眺めることができます。また、ご来光を見た後、過ごし方の選択肢がたくさんあるのも乗鞍岳ご来光の魅力です。ご来光を見た後にそのまま天空散歩や畳平のお花畑見学にでかけたり、剣ヶ峰登山を目指したり。またはシャトルバスで宿に帰り、仮眠をとったり高原内で過ごしたり。ご来光から始まる一日を有意義に&思い思いに過ごすことができるのです。

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❷ ご来光を見るのに必要な服装や装備

乗鞍岳はご来光を気軽に見られるとはいえ、出かけるのは高山帯。標高が高いことに加え、日の出前は肌寒く、風が吹くと体感気温はグッと下がります。そのため、高山帯に適した服装や装備が必要です。ご来光を思う存分楽しむための、服装や装備についてご紹介します。

ご来光に適した服装

7月~8月の早朝の畳平周辺の気温は約5℃~8℃くらい。9月になると、早朝は氷点下になる場合もあります。そのため風を通さないウインドブレーカー(レインウエア)や長袖は必需品です。防寒着(フリースやダウンジャケット)も持参しましょう。また、ズボンについては、登山をする場合、ストレッチのある動きやすい山登り用のものがベストです。

ご来光に必要な装備

1. 靴

乗鞍岳は、特に険しい道や、難しい岩場は無いので、ローカットのトレッキングシューズや運動靴でも登れますが、くるぶしを守れるハイカット・ミドルカットのトレッキングシューズの方が安心です。 

2. リュックサック

歩き出す日の出前は、視界不良のため、足をとられやすい時間帯です。軽快に歩くためにも小型のリュックサックで出かけましょう。防寒着や行動食を入れる20リットル程度のものがあるといいでしょう。

3.ヘッドランプ

日の出前の薄暗い中を歩き出すので、ヘッドランプがあると便利です。登山道沿いの足元には、コマクサなど貴重な高山植物が自生していることがあります。誤って高山植物を踏み荒らさないためにも、ヘッドランプで足元を照らしながら、山にも自分にも優しくご来光ポイントまで歩きましょう。

4.その他の装備

水筒(できればあたたかい飲み物)、タオル、帽子、グローブ、行動食など、必要に応じて準備しておきましょう。

❸ おすすめのご来光ポイント

乗鞍岳のご来光ポイントは、数ヶ所あります。「標高2716mバス停」で降りて20分ほど登った「大黒岳」や「富士見岳」の山頂まで登ると、遠くに連なる山並みと合わせて楽しめます。

風の強い日などは、大黒岳や富士見岳の山頂付近はご来光を待つ間の冷え込みや環境が厳しいことがあります。そんな時は「標高2716mバス停」で降りた県境ゲート付近で見ることをおすすめします。

おすすめポイントを詳しく知りたいなら…

「ご来光(日の出)」について

❹ ご来光と共に「今」を味わう

準備万端、あとは日が昇ってくるのを待つばかり。その時が来るまでは待ち遠しく、寒さに耐える時間ですが、ダイヤモンドのように小さく光り輝く太陽光が山の向こうから現れたかと思うと、みるみるうちにその光が大きくなり、辺りが照らされていきます。その有難さに、思わず太陽に合掌したくなるかもしれません。

ご来光と共に幻想的に移り変わっていく空の色、雲海、遠くの山並みを眺めていると、当たり前のように毎日、日が昇り時がめぐっていること、そのめぐりの中で「今」を生きていること自体が神秘的なことに思えてくるような気がします。ぜひ、ご来光の「今この時」を思い思いに味わってみてください。

❺ ご来光の後の朝食

早起きしてご来光を見た後は、お腹も空いてくる頃合いです。予めおにぎりやパンなど朝食を持参して、ダイナミックな景色と共に、過ごしやすい場所を見つけて山中で朝ご飯を食べるのも楽しいです。また、畳平まで戻れば、休憩所や食堂がありますので、ゆったり朝食をとりたい時や天候の良くない日は、そちらの利用をおすすめします。

また、ご来光を見た後に、シャトルバスに乗って高原内に降りれば、宿での朝食に間に合います(※1)。その他、高原内の飲食店で山の上で撮ったご来光の写真を眺めつつ、時間を気にせずモーニングというのもいいですね。

※1 宿によってご対応が異なりますので、詳しくは各宿にご相談ください。


いかがでしたでしょうか。実は、遠い昔の18世紀末、山頂の朝日権現神社でご来光を拝んだものにはご利益があるとれ、ご来光詣でが盛んに行われるようになったと言われています。それだけ古くからの歴史があり、多くの人々が憧れ目指した乗鞍岳のご来光。高原内は曇り空でも、天空では眼下に雲海が広がり視界が開けている場合もあります。ぜひ乗鞍高原滞在の計画にご来光見物を取り入れてみてください。

ご来光バスについて詳しくは

「ご来光バス」について